街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。
二つの都を持った武家政権 南北朝期、足利氏は京都に幕府を置きつつ、鎌倉を関東統治の拠点として再編していきました。なぜ足利氏は、前政権である鎌倉幕府の都をそのまま引き継いだのでしょうか。そして、この政治的継承は鎌倉という都市をどのように変容させたのでしょうか。 鎌倉は、源頼朝以来の武家政権を象徴する都市でした。足利氏はその権威を受け継ぎながら、禅宗文化と武家の伝統を組み合わせた統治を展開しました。
## 台地の縁に眠る海の記憶 名古屋駅から地下鉄で南へ15分。熱田神宮前駅を出ると、なだらかな坂道が続いています。この微細な高低差こそが、古代の海岸線の痕跡です。現在の名古屋市南部一帯は、かつて「熱田台地」と呼ばれる洪積台地の縁に、海が深く入り込んでいました。海抜10メートル前後