第3章
屋敷が、最高学府になった
安田講堂

本郷通りへ戻り、東京大学の正門から中へ。まっすぐ伸びる銀杏並木の先に、堂々とした安田講堂が見えてきます。
いま私たちが立っているこの広大なキャンパスこそ、かつての加賀藩前田家の上屋敷の跡です。その広さは、東京ドーム7個分を超えるとも。江戸でも指折りの大名屋敷が、明治になって国に召し上げられ、1877年(明治10年)に創立された東京大学の敷地となりました。
大名が住み、家臣たちが行き交った屋敷。その同じ土地を、いまは学生たちが行き交っています。建物も、人も、目的もすっかり変わりました。けれど、これほど広い一続きの土地が都心の真ん中に残っているのは、もとが一つの大名の屋敷だったからにほかなりません。
「加賀百万石の屋敷はどこへ?」——その答えの半分は、いまあなたが立っている、この足もとそのものです。
建物のあいだを抜けて、キャンパスの奥へ。屋敷の記憶がいちばん色濃く残る場所——三四郎池へ向かいます。
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