街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

最後の戦場に選ばれた山 上野の山を歩いていると、なぜここが、江戸における明治維新の決定的な戦場の一つとなったのか、その理由が地形から見えてきます。JR上野駅から公園に向かう坂道を上がるだけで、この場所の戦略的価値が実感できるでしょう。標高20メートル前後の上野台地は、周囲の低地を見渡しやすい高台でした。しかし彰義隊がこの地を選んだのは、単に地形的優位性だけが理由ではありませんでした。 慶応4年(1

勝海舟が渡った品川の海——幕末の決断と海辺の街 海舟が選んだ出発点 品川の海を見つめていると、一つの疑問が浮かびます。なぜ勝海舟にとって品川の海が重要だったのでしょうか。幕末の海防を考えるうえで、勝海舟が品川沖の重要性を意識していた可能性は高いですが、江戸開城交渉との結びつけは慎重に扱う必要があります。この理解には、品川という場所が持つ特別な性格が深く関わっています。 品川は、江戸時代を通じて東海