街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

## 西の京と呼ばれた山口の謎 山口市の常栄寺に立つと、まるで水墨画の世界に迷い込んだような錯覚を覚えます。池の向こうに聳える五重塔、その手前に広がる枯山水の庭園。これらすべてが、室町時代の画僧・雪舟によって設計された空間なのです。しかし、なぜ雪舟は京都ではなく、この山口の地で傑

海を向いた都の夢 神戸の街を歩いていると、不思議な感覚に襲われます。山と海に挟まれた狭い平地に、これほど多様な時代の痕跡が重なり合っているのはなぜなのか。実はこの疑問の答えは、800年以上前に平清盛が抱いた壮大な構想にさかのぼります。彼が夢見たのは、海に開かれた新しい都——福原でした。 1180年、平清盛は前代未聞の決断を下します。平安京から福原への遷都です。しかしこの遷都は、わずか半年で頓挫して