第3章
殿さまの菩提寺と、江戸の地蔵
太宗寺
新宿通りから少し入ったところに、太宗寺があります。もとは甲州街道沿いの小さな庵でしたが、内藤家の支援を受けて寺となり、内藤家の菩提寺となりました。境内には内藤家の墓所が、いまも残っています。
この寺で見逃せないのが、山門近くに座る大きな銅造の地蔵菩薩坐像です。正徳2年(1712年)に造られたもので、江戸の主要な街道の入口に置かれた「江戸六地蔵」の一つ(第三番)。旅の安全を願って、街道を行き交う人々が拝んだお地蔵さまです。
さらに堂内には、大きな閻魔像や奪衣婆の像も伝わります。宿場でにぎわう人々にとって、寺は信仰の場であると同時に、生と死、善と悪をふと考えさせる場所でもありました。
殿さまの菩提寺と、街道の地蔵。この寺には、内藤新宿の「表」の顔がやどっています。
表があれば、裏もあります。次に訪ねるのは、宿場のもう一つの顔を伝える寺——成覚寺です。
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