第5章
土俵のある、街道の鎮守
世田谷八幡宮
代官屋敷から少し北へ歩くと、世田谷八幡宮に着きます。世田谷の総鎮守(そうちんじゅ)——この地域全体を守る神社です。
言い伝えでは、その創建は平安時代の1091年(寛治5年)。奥州での戦い(後三年の役)からの帰り道、源義家が豪雨でこの地に足止めされ、戦の勝利を八幡神に感謝して、兵士たちに相撲をとらせた——それが、この神社と奉納相撲の始まりだといいます。
そのため、いまも境内には立派な土俵があり、秋の例大祭では奉納相撲が行われます。かつては相撲の勝敗で翌年の豊作を占ったといい、渋谷・大井とならぶ「江戸郊外三大相撲」の一つに数えられました。
街道を行き交う旅人も、この鎮守の杜に立ち寄って、旅の安全を祈ったことでしょう。にぎわう道のかたわらには、いつも、人々の祈りを受けとめる場所があったのです。
最後に、街道の町・世田谷が生んだ、もう一つの名所へ。招き猫で知られる豪徳寺で、今日の道を締めくくります。
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