第1章
将軍の娘を、迎えた門
赤門(旧加賀屋敷御守殿門)
まずは、あまりにも有名なこの門から。東京大学の赤門です。「東大=赤門」と言われるほどですが、そもそもなぜ、ここに朱塗りの立派な門が建っているのでしょう。
この門は、正式には「旧加賀屋敷御守殿門(ごしゅでんもん)」といいます。文政10年(1827年)、加賀藩13代藩主・前田斉泰(なりやす)が、11代将軍・徳川家斉(いえなり)の娘・溶姫(やすひめ)を正室に迎えるにあたって建てたものです。
当時、将軍の娘を妻に迎える大名は、そのために新しく御殿を建て、朱塗りの門を構えるのがならわしでした。つまりこの赤い門は、加賀百万石の格式と、将軍家との結びつきを示す、特別な門だったのです。
いまは大学の門として当たり前にそこにありますが、これは大学が建てたものではありません。大学が生まれるより前から、ここにあった大名屋敷の、生き残りなのです。
赤門を背に、いったん屋敷の“外”へ。坂を下りた菊坂に、大名屋敷とは対照的な、庶民の本郷が残っています。
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