第2章
殿さまの鷹場だった、水の小径
お鷹の道
殿ヶ谷戸庭園から崖を下り、しばらく歩くと、細い水路に沿った小径に出ます。お鷹の道です。
この流れは、いま下ってきた国分寺崖線——「はけ」のあちこちから湧き出した水が集まったもの。澄んだ水が、さらさらと音を立てて流れています。数百メートルにわたって水辺を歩ける、気持ちのよい道です。
「お鷹の道」という名前は、江戸時代に由来します。このあたり一帯が、尾張徳川家の鷹狩りの場——御鷹場に指定されていたのです。殿さまが鷹を放った野に、崖からしみ出た水が流れていた。その記憶が、いまも道の名として残っています。
水の冷たさ、緑のにおい、流れの音。この心地よさは、すべて、はけが湧かせた水がつくっているものです。
清流をさらに進みます。次は、この湧水群を代表する場所——真姿の池です。
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