第5章
様式建築の、最高傑作
明治生命館
堂々たる石造りの列柱が並ぶ、明治生命館です。ギリシャ・ローマの神殿を思わせる、重厚で格調高い建築。設計は岡田信一郎(おかだしんいちろう)、1934年(昭和9年)の竣工です。
こうした古代の様式にならった建築を「古典主義(クラシック)様式」と呼びます。明治生命館は、その日本における最高傑作の一つとされ、1997年(平成9年)には、昭和期に建てられた建造物として初めて、国の重要文化財に指定されました。
ここで、少し立ち止まって考えてみてください。すぐ近くのKITTE(旧郵便局)は、1931年の“装飾を捨てた”モダニズムでした。かたやこの明治生命館は、その3年後の1934年に建った、“装飾をきわめた”古典主義。同じ時代、同じ丸の内で、まったく逆の方向をめざした名建築が、隣り合って建っているのです。
近代建築は、一直線に「シンプル」へ進んだわけではありません。その揺れ動きが、この街区にそのまま残っています。
最後に、建築が“歴史の舞台”にもなった一棟へ。すぐ先の第一生命館——戦後、GHQの本部が置かれた建物です。
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