第3章
装飾を捨てた、白い郵便局
旧東京中央郵便局(KITTE)
東京駅のすぐ南に、白く四角い、装飾のほとんどない建物があります。旧東京中央郵便局。いまは「KITTE」という商業施設になっていますが、その外壁の一部は、1931年(昭和6年)に建てられた当時の姿を保存したものです。
設計は吉田鉄郎(よしだてつろう)。隣の東京駅が、赤レンガと装飾で“格式”を語る建築だとすれば、こちらは正反対。余計な飾りを一切そぎ落とし、白い壁と規則正しい窓の並びだけで美しさをつくり出しています。これが「モダニズム建築」です。
20世紀のはじめ、世界の建築は「装飾は不要だ」という方向へ大きく舵を切りました。吉田鉄郎のこの郵便局は、その新しい波を日本でいち早く体現した、記念碑的な作品です。ドイツの建築家ブルーノ・タウトが絶賛したことでも知られています。
赤レンガの駅と、白いモダニズムの郵便局。すぐ隣どうしで、まったく違う美学がぶつかり合っています。
モダニズムの次は、時をさかのぼって丸の内のいちばん最初へ。日本近代建築の父・コンドルの三菱一号館です。
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