第4章
辰野金吾の、赤レンガ駅
旧万世橋駅
赤レンガの高架が、ひときわ立派な構えを見せる場所に着きました。旧万世橋駅。いまは「mAAch ecute 神田万世橋」という施設になっていますが、ここはかつて、中央線のターミナル駅でした。
開業は1912年(明治45年)。そして、その初代駅舎を設計したのが——辰野金吾です。そう、この2年後に東京駅を完成させる、あの辰野金吾。万世橋駅は、東京駅の“兄”にあたる赤レンガ駅だったのです。当時は市電が集まる一大ターミナルとして、たいへんな賑わいを見せました。
初代駅舎は1923年(大正12年)の関東大震災で焼失しますが、赤レンガの高架や、開業時の「1912年の階段」は、いまも残されています。使われているタイルは、東京駅の煉瓦と同じ『覆輪目地(ふくりんめじ)』という手のこんだ高級仕上げ。辰野がこの駅にどれだけ力を注いだかが伝わってきます。
いまこの場所は、赤レンガ高架の内部を歩ける施設になっています。100年前の駅の骨格のなかを、いま人が行き交っているのです。
駅の賑わいの跡をあとに、神田川に架かる万世橋へ。橋の名と、ここにあった博物館の記憶をたずねます。
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