街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

琵琶湖を中心に回る商業の輪 近江商人が主要な地域に張り巡らせたとされる商業ネットワークは、なぜこの琵琶湖周辺から生まれたのでしょうか。地図を眺めると、琵琶湖周辺は、水運と街道交通が交わる交通上の重要地域でした。東海道と中山道という二大街道に挟まれたこの湖は、水運と陸運が交差する商業の十字路でした。そこから八幡・日野・五個荘では、それぞれ異なる商品や商法を背景に商人文化が育っていきました。 近江商人

明智光秀と坂本城——琵琶湖に消えた石垣の都 湖に沈んだ城の記憶 琵琶湖の湖岸に立つと、青い水面の向こうに比叡山が静かにそびえています。この穏やかな風景の足元に、かつて「湖上の名城」と謳われた坂本城が眠っていることを知る人は多くありません。1571年、比叡山延暦寺焼き討ち後に明智光秀が築いた坂本城は、1582年にいったん焼失した後、丹羽長秀によって再び築かれ、1586年ごろに廃城となりました。しかし