街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

## 川が選んだ都の場所 平安時代末期、京都から遠く離れた東北の地に、都に匹敵する文化都市が築かれました。平泉です。藤原清衡がこの地を奥州の都に選んだのは、単なる偶然ではありません。眼下を流れる北上川こそが、その答えを握っています。 北上川は岩手県内陸部を南流し、宮城県で太平洋に

賢治の眼に映った北上川流域の原風景 花巻駅から北上川に向かって歩くと、緩やかな河岸段丘が続く農村風景が広がります。北上川流域の風景は、宮沢賢治の作品世界を考えるうえで重要な背景の一つでした。賢治は1896年にこの地に生まれ、37年の短い生涯のうち大半をこの花巻で過ごしました。彼の作品に登場する「イーハトーブ」は架空の理想郷ですが、その原型となったのは、この北上川流域の農村景観だったと考えられていま