街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

険しい山に霊場を求めた空海の選択 高野山への参詣路を歩く前に、一つの問いを持って出発したいと思います。なぜ空海は、これほどまでに険しい紀伊山地の奥深くを真言密教の根本道場に選んだのでしょうか。平安京から直線距離で約100キロ、標高800メートルを超える山上の盆地に至る道のりは、現代でも容易ではありません。ましてや1200年前、道路整備もままならない時代に、この地を霊場とした空海の判断には、単なる地

## 一万五千のため池が語る水との格闘史 讃岐平野を上空から眺めると、無数の青い点が田畑の間に散らばって見えます。これらは全てため池——その数は香川県だけで一万五千を超え、全国の約一割を占めます。なぜこの狭い平野に、これほど多くのため池が必要だったのでしょうか。答えは、この土地が