街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。
海だった場所に築かれた政治の舞台 増上寺の山門をくぐると、その向こうに東京タワーが見えます。寺社空間の静寂と都市中枢の喧騒が、わずか数百メートルの距離で隣り合っている光景です。なぜこの芝という場所は、江戸時代から現代まで、宗教的な聖域でありながら同時に政治と交通の最前線であり続けているのでしょうか。その答えは、この土地が持つ独特の地理的条件にあります。芝周辺は江戸湾に面した海辺の縁に位置し、城下町