街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

雪の朝、権力の街で何が起きたのか 1936年2月26日の朝、東京は雪に覆われていました。午前5時過ぎ、永田町・赤坂一帯で銃声が響きます。青年将校率いる部隊が、政府要人の襲撃を開始したのです。二・二六事件の背景には軍内部の思想対立や政治不信がありましたが、永田町・三宅坂周辺に政府と軍の中枢が集中していたことは、襲撃と占拠を可能にした重要な条件の一つでした。 事件当日、襲撃対象となったのは内大臣斎藤実

英語教師が見つめた明治の地方都市 熊本城の高所から眺めると、城下町熊本の広がりを立体的に意識できます。漱石は1896年に第五高等学校の英語教師として熊本へ赴任し、ここで4年間を過ごしました。熊本での体験は、後年の作品を読むうえで重要な背景の一つです。 漱石が熊本で体験したのは、江戸時代の城下町の骨格を残しながらも、明治の近代化が進む地方都市の姿でした。熊本城を頂点とする武家屋敷群、その麓に広がる町