街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

琵琶湖を中心に回る商業の輪 近江商人が主要な地域に張り巡らせたとされる商業ネットワークは、なぜこの琵琶湖周辺から生まれたのでしょうか。地図を眺めると、琵琶湖周辺は、水運と街道交通が交わる交通上の重要地域でした。東海道と中山道という二大街道に挟まれたこの湖は、水運と陸運が交差する商業の十字路でした。そこから八幡・日野・五個荘では、それぞれ異なる商品や商法を背景に商人文化が育っていきました。 近江商人

琵琶湖畔に立つ巨石の城 琵琶湖東岸の安土山を見上げると、その山腹に巨大な石垣が露出しているのが見えます。これが織田信長が天下統一の拠点として築いた安土城の遺構です。しかし、この城が革新的だったのは、山上の天主だけではありません。山麓の城下町もまた、信長が新しい城と町のあり方を試みた重要な空間でした。 1576年に築城が始まり、約3年で完成した安土城は、1582年に焼失しました。その短い存在期間にも