街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

雪の朝、権力の街で何が起きたのか 1936年2月26日の朝、東京は雪に覆われていました。午前5時過ぎ、永田町・赤坂一帯で銃声が響きます。青年将校率いる部隊が、政府要人の襲撃を開始したのです。二・二六事件の背景には軍内部の思想対立や政治不信がありましたが、永田町・三宅坂周辺に政府と軍の中枢が集中していたことは、襲撃と占拠を可能にした重要な条件の一つでした。 事件当日、襲撃対象となったのは内大臣斎藤実

海だった日比谷 日比谷公園に立つと、なぜこれほど視界が開けているのか疑問に思ったことはないでしょうか。周囲を高層ビルに囲まれながら、この一帯だけが妙に平坦で、空が広く見える。実はここには、江戸初期まで「日比谷入江」と呼ばれた海が広がっていました。現在の日比谷公園から有楽町、数寄屋橋にかけての一帯は、かつて東京湾の一部だったのです。 入江が消えてから400年が経った今も、この街には水際の記憶が刻まれ