街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

55歳の隠居が挑んだ日本初の実測地図 清澄白河から門前仲町にかけての深川一帯を歩くと、伊能忠敬が学び、測量へ向かった時代の空気をたどることができます。 忠敬が全国測量を開始したのは寛政12年(1800年)、55歳のときでした。当時としては相当な高齢での出発です。なぜ彼は隠居の身でありながら、歩いて日本全土を測るという途方もない計画を立てたのでしょうか。そして、なぜその出発点として江戸を選んだのでし

運河に映った近代日本の設計図 門前仲町の交差点に立つと、四方に向かって延びる道筋が見えます。その道の向こうに、かつて舟運で栄えた河岸の記憶が重なっています。渋沢栄一は1876年から1888年まで深川区福住町に住み、この地域と近い関わりを持っていました。彼はなぜ、この下町に足繁く通ったのでしょうか。 答えは、深川が単なる庶民の街ではなかったことにあります。江戸期から続く商工業の集積地として、そして明