街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

水に囲まれた城が語る盆地の論理 甲府駅に降り立つと、四方を山に囲まれた盆地の底にいることがすぐに分かります。しかし、この地形こそが戦国時代の有力大名の一つとされる武田氏の力の源泉でした。甲府盆地の都市形成を考えるうえでは、武田氏の本拠である躑躅ヶ崎館と、武田氏滅亡後に築かれた甲府城を分けて見る必要があります。 甲府の都市構造を理解する鍵は、水との関係にあります。釜無川、笛吹川、荒川という三つの河川

## 最後の武田当主が歩いた道 甲府盆地を見下ろす新府城跡に立つと、眼下に広がる平野の向こうに南アルプスの峰々が連なります。この城は、武田信玄の四男・武田勝頼が築いた最後の居城でした。天正9年(1581年)12月24日に移転し、翌天正10年(1582年)3月3日に退去するまで、わ