街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

## 関東平野を描き直した一本の川 千葉県関宿で江戸川と利根川が合流する地点に立つと、二つの大河が静かに交わる光景を目にします。しかし、この穏やかな風景の背後には、400年前に関東平野全体を作り変えた巨大事業の痕跡が隠されています。徳川家康が着手した利根川東遷事業——それは単なる

見えない大河の記憶 岩淵水門から隅田川を見下ろすと、穏やかな水面の向こうに東京スカイツリーがそびえています。しかし400年前、この場所から見えていたのは全く違う風景でした。現在の隅田川は、利根川の主要な流路の一つだったと考えられています。徳川家康が江戸入府後に断行した「利根川東遷」という壮大な河川改修事業が、この水の流れを根本から変え、江戸という都市の骨格に大きな影響を与えました。なぜ徳川家は利根