街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

桜島を背負った日本有数の近代工業施設群 鹿児島中央駅から桜島方面に向かうバスに揺られていると、やがて錦江湾越しに桜島の雄大な姿が見えてきます。その手前、磯海岸沿いに建つ石造りの建物群が目に入る瞬間、多くの人は気づかないかもしれません。ここが日本の近代工業の出発点の一つだったということを。 幕末の薩摩藩主島津斉彬が1850年代に推進した集成館事業は、単なる軍事工場建設を超えた壮大な構想でした。反射炉

## 駅名標が語る二つの謎 二子玉川駅のホームに立つと、駅名標には「ふたこたまがわ」の文字が並んでいます。この地名には二つの謎が隠されています。なぜ「二子」と呼ばれるのか、そしてなぜ「玉川」なのか。単なる美しい響きの地名と思われがちですが、実はこの名前には、古代から続く多摩川の渡