街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

伊勢神宮と門前町宇治——神域を取り巻く参詣都市の構造 宇治橋が仕切る聖と俗の境界 伊勢神宮内宮へと続く宇治橋を渡るとき、多くの参拝者は気づかないまま、古代から続く空間の論理を体験していると考えられます。宇治橋は、内宮へ入る象徴的な境界として大きな意味を持ってきました。五十鈴川の清流が自然の結界となり、その上に架けられた橋が人為的な境界を重ねる。この二重の境界設定こそが、伊勢神宮の神域構造の根幹にあ

二つの都を持った武家政権 南北朝期、足利氏は京都に幕府を置きつつ、鎌倉を関東統治の拠点として再編していきました。なぜ足利氏は、前政権である鎌倉幕府の都をそのまま引き継いだのでしょうか。そして、この政治的継承は鎌倉という都市をどのように変容させたのでしょうか。 鎌倉は、源頼朝以来の武家政権を象徴する都市でした。足利氏はその権威を受け継ぎながら、禅宗文化と武家の伝統を組み合わせた統治を展開しました。