街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

海峡に浮かぶ異色の城下町 松前城から津軽海峡を見下ろすとき、この場所がなぜ北海道唯一の城下町となったのかが見えてきます。本州から20キロメートルの海峡を隔てた松前は、単なる最北の城下町ではありません。津軽海峡という特殊な地理条件が、日本の他の城下町とは根本的に異なる都市構造を生み出したのです。 多くの城下町が農業を基盤とした中で、松前藩は商業に特化した珍しい藩政を敷きました。松前藩は、米作中心の藩

## 石造りアーチが語る明治の意地 天城山隧道の前に立つと、まず目に飛び込んでくるのは荒々しく削り出された石の表情です。この隧道は単なる道路トンネルではありません。明治政府が国家の威信をかけて挑んだ、伊豆半島開発の象徴的な構造物なのです。 全長445.5メートル、高さ4.4メート