街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。
目黒区上目黒の住宅街を歩いていると、突然視界に小さな山が現れます。上目黒氷川神社には、かつて目切坂上にあった「目黒元富士」に由来する石祠や講碑が残り、現在は昭和50年頃に整えられた「目黒富士登山道」から浅間神社へ登拝できます。富士塚とは、富士山への参詣が困難な江戸の庶民たちが、身近な場所に富士山を模して築いた信仰の山のこと。しかし、なぜ数ある富士塚の中でも目黒富士は特別な存在とされるのでしょうか。
明治43年(1910年)、一冊の薄い本が日本の民俗学の扉を開きました。柳田國男の『遠野物語』です。岩手県遠野の山村に伝わる119の不思議な話を収めたこの書物は、なぜこれほど多くの人を魅了し続けるのでしょうか。その背景には、遠野という土地の地形や信仰環境、そして佐々木喜善の語りが重なっています。遠野盆地の囲まれた地形は、伝承や信仰が土地の記憶として残りやすい条件の一つだったと考えられます。 遠野は周







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