街を歩いて歴史を読む。地形・道・痕跡から、その土地の物語を掘り起こします。

海を向いた都の夢 神戸の街を歩いていると、不思議な感覚に襲われます。山と海に挟まれた狭い平地に、これほど多様な時代の痕跡が重なり合っているのはなぜなのか。実はこの疑問の答えは、800年以上前に平清盛が抱いた壮大な構想にさかのぼります。彼が夢見たのは、海に開かれた新しい都——福原でした。 1180年、平清盛は前代未聞の決断を下します。平安京から福原への遷都です。しかしこの遷都は、わずか半年で頓挫して

海峡に浮かぶ異色の城下町 松前城から津軽海峡を見下ろすとき、この場所がなぜ北海道唯一の城下町となったのかが見えてきます。本州から20キロメートルの海峡を隔てた松前は、単なる最北の城下町ではありません。津軽海峡という特殊な地理条件が、日本の他の城下町とは根本的に異なる都市構造を生み出したのです。 多くの城下町が農業を基盤とした中で、松前藩は商業に特化した珍しい藩政を敷きました。松前藩は、米作中心の藩















