最終章
「国立」が生まれる前の暮らし
旧本田家住宅

最後に訪ねるのは、旧本田家住宅です。
ここまで私たちは、駅、大学通り、大学、そして谷保天満宮と、国立の街をかたちづくってきた場所をたどってきました。けれど、街の歴史を織りなしているのは、新しくつくられた建物や道だけではありません。
「国立」という街が生まれるよりもずっと前から、この地域には、人々の暮らしが静かに続いてきました。旧本田家住宅は、そうした古い時代の暮らしのおもかげを、いまに伝える住まいです。
今日の出発点だった、国立駅を思い出してみてください。新しい駅がつくられ、大学が移り、大学通りを軸に、新しい街がかたちづくられていった。けれど、その足もとには、もっと長い地域の時間が、幾重にも積み重なっているのです。
私たちが普段「国立」と呼んでいる街は、その長い時間の、いちばん新しい一枚の層なのかもしれません。
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